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高松高等裁判所 昭和54年(行コ)3号 判決

控訴人(原告) 国

被控訴人(被告) モービル石油株式会社

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴人指定代理人らは、「原判決中、控訴人敗訴の部分を取り消す。香川県収用委員会が昭和五二年九月二四日付の裁決によつて被控訴人のためにした損失補償の裁決中、損失補償額を金九〇七万五七八〇円とした部分を取り消す。控訴人の被控訴人に対する右裁決による損失補償金支払債務は存在しないことを確認する。訴訟費用は、第一・二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人訴訟代理人は、主文同旨の判決を求めた。

当事者双方の主張及び証拠の関係は、控訴人指定代理人らにおいて、「本件地下道の設置が国として当然の権利の行使であり、かつ公共性を有する点につき、何らの考慮を払わなかつた原判決は不当であり、その是正を求める。」と述べ、甲第一四号証を提出し、同号証の成立につき被控訴人訴訟代理人において不知と述べたほか、原判決事実摘示のとおりであるからこれを引用する。

理由

本件についての当裁判所の事実認定及び法律上の判断は、いずれも原判決理由記載(原判決二一枚目表一行目の「、四七」を削る。)のとおりであるからこれを引用する。

それゆえ、原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないからこれを棄却し、控訴費用の負担につき民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 小西高秀 古市清 上野利隆)

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